FinalFocusを使う(基本編)
FinalFocusを使う(基本編)
更新日:2003.4.6
FinalFocusの製品版、サンプル版のダウンロードとインストール方法
FinalFocusの基本的な使い方
 右の写真のような、カフェでの一コマを例にしてFinalFocusの基本的な使い方を紹介していきます。「5.ダウンロード」のページから「D1still.zip」をダウンロードして解凍したら、アフターエフェクツを起動して「D1still.aep」を開きます。まずプロジェクトフォルダにある「1.FinalFocus基本編」フォルダの中の「ファイナルフォーカス基本編」コンポジションを開きます。コンポジションには6枚のレイヤがあり、一番上の「FinalFocus」という黒い平面レイヤだけスイッチが入っていません。このコンポジションは下に並べてある5枚の画像が合成された状態で、右の写真と同じ合成結果になっています。ちなみにこの状態は撮影用語でパンフォーカス(すべての被写体にフォーカス=ピントが合っている)といい、実際にこのような写真を撮るにはかなり条件を絞りこまなければなりません。
 コンポジションの一番上にある「FinalFocus」という平面レイヤをアクティブにして、すでに適用してあるFinalFocusのエフェクトコントロールパネルを開きます。下の図のように表示されると思います。パネルの上のほうにある「Rendering」と書かれているところのとなりにチェックボックスがありますが、チェックを入れてみてください。FinalFocusのプレビューレンダリングが始まって、しばらくすると結果が表示されます。
上が左のパネルどおりにFinalFocusでレンダリングした結果。
FinalFocusの設定の手順
1.最初にコンポジション内で通常の合成プロセスを完成させます。そのあとでコンポジション内の各レイヤを整理していきます。エフェクトやトランスフォーム、マスクを使っている場合はプリコンポーズしてすべての属性を新規コンポジションに移動します。レイヤのサイズがコンポジションのサイズと異なっている場合もプリコンポーズして、サイズを合わせます。合成モードが通常以外のときは、何らかのテクニックを使って通常合成モードに置き換えます。(一例を次のステップの「FinalFocusを使う(応用編)」で紹介しています)
2.コンポジション内に新規平面を作成して、エフェクトメニューからFinalFocus1を選んで適用します。
3.まずセルを選択します。セル1に、合成画面で手前(カメラ側)のレイヤを割り当てます(ここでは「男」)。セル2以降にも手前側から順にレイヤを割り当てていきます。セルの最大数は23です。
4.次は各セルのパラメータの「Distance」を決めます。一番カメラよりのセルを0にして、カメラから最も遠いセルを255にしてみます。その間のセルはとりあえず均等に割った数値を入力します。(例ではセル3「女の子」に128を入力しています)
5.オンフォーカスディスタンスの数値を決めます。フォーカスを合わせたいセルのディスタンス値と同じ数値を入力します。(例ではセル3にフォーカスを合わせているので128を入力しています)
6.これで最低限の設定ができましたので、レンダリングのチェックボックスをオンにして、プレビュー結果を確認します。
FinalFocusのプレビュー&レンダリングのオン・オフを切り替えるためのチェックボックス。チェックを入れないとレンダリングされません。
 絞りのかたち(錯乱円)を選べます。カメラの絞りのかたちに準じて選びます。「08」か「circle」が一般的です。
03
04
05
05Rolleiflex

06
08
circle
circle-color
circle-zeiss
ring
sakura

絞りのかたち(錯乱円)を自作する
 絞りのかたちは自作することができます。フォトショップなどで400×400ぐらいの大きさで好きな形を描きます。たとえば右図のような星型を描いてみます。アフターエフェクツのプラグインフォルダ内にある「FinalFocus1.0」フォルダを開きます。「pattern」フォルダ内に新規フォルダを作成して名前をつけます(ここでは「ring-star」とします)。先ほど描いた星型の絞りをこのフォルダに保存しますが、画像サイズに準じたファイル名をつけるようにしてください(ここでは「400.tif」)。ファイル形式はtifにします。これで自作の絞りが使えるようになります。
 400×400の絞り画像ではD1サイズのコンポジションでレンダリングするときには大きすぎるように思われます。そのために小さめの画像サイズのパターンも用意しておくことでレンダリング効率をあげることができます。後で解説をするBokehAmountの数値に合わせて用意するとよいようです。BokehAmountは0から300まで入力できますが、実際に使用するのは100ぐらいまででしょう。従がって10×10、20×20〜100×100、200×200、300×300の各大きさの画像を作って保存します。このときファイル名を画像サイズに準じてつけてください(たとえば010.tif、020.tif〜100.tif、200.tif、300.tifなど)。元から入っているパターンデータを見ると任意の画像サイズよりも1ピクセル大きめに作られているみたいですので、自作の画像もこれを参考にしたほうがよいでしょう。
 コンポジション内で、カメラに最も近くなるレイヤを割り当てたセルのディスタンスを0、最も遠くなるレイヤを割り当てたセルのディスタンスを255にしたとき、そのセル間でフォーカス位置を任意に移動させることができます。
 画面上でのぼけの大きさ(錯乱円)を調整することができます。写真撮影などでは錯乱円の大きさを計算で求めることもしていますが、実際は主観によるところが大きいので、シーンに合ったサイズを選びましょう。あまり大きくしてしまうとミニチュアっぽい画面になってしまいます。ただしコンポジションのサイズを大きくしたときは、BokehAmountの数値も大きくしなければなりません。右はD1コンポジションでレンダリングした画像の部分で等倍になっています。
BokehAmount=0 BokehAmount=20 BokehAmount=50
 画面上でのぼけのかたさを調整することができます。演出意図によって使い分けると効果的でしょう。2Dアニメでは数値を大きくしたほうがなじみがよくなると思います。またFinalFocusで合成した素材のエッジにかたさが見られるときは、1以下の数値を入力してソフトにすると少し改善されると思います。右はD1コンポジションでレンダリングした画像の部分で等倍になっています。
Hardness=0.4
Hardness=1
Hardness=6
 画面上での露光量を調整することができます。輝度を持ち上げるようですが、素材によっては効果をあげるのは難しいようです。光の回り込み具合で画面が少し暗くなることがありますが、その場合に数値をあげてやると少し改善されると思います。右はD1コンポジションでレンダリングした画像の部分で等倍になっています。
Brightness=0.4
Brightness=1
Brightness=6
 コンポジション内でプレビューする範囲を絞り込めます。「プレビューサイズ」は正方形のピクセル数で設定します。必要な箇所に絞って確認ができるので、作業時間が短縮されると思います。
Quality=1
Quality=1/3
Quality=1/5
 レンダリングの品質を決められるパラメータです。詳細は確認中です。
ボケ・アジャストメント(Bokeh Adjustment)
 ぼけ(錯乱円)の大きさを変えられます。基準値は1になっていて、特に調整しなくてもきれいな結果を得られます。0にするとぼけなくなるので、ぼかしたくないレイヤ(セル)には0を割り当てます。
コンポ(Comp)
 コンポジション内にあるレイヤをコンポに割り当てます。レイヤの順序はディスタンスの数値で決まり、数値の低いほうが手前(カメラ側)になります。
ディスタンス(Distance)
 カメラと無限遠の間を255段階の数値に分けて、各セルに割り当てられたレイヤ間の距離を指定します。カメラ側が0、無限遠が255になります。
Bokeh Adjustment=0
Bokeh Adjustment=1
Bokeh Adjustment=2

セルを追加する
 セル数は標準で10枚になっています。レイヤが10枚以上ある場合は初期設定を変えることでセル数を最大23枚まで増やすことができます。アフターエフェクツプラグインのFinalFocus1.0フォルダ内にあるxcelmax_23ファイルをcelmax_23のように書き換えます。
撮りきり(合成なし)
FinalFocus1
IrisFilter4
FastBlur(AfterEffects標準)